燧岳 H12.08.02 曇り (御池→沼山峠→長蔵小屋→沼尻→ナデッ窪→燧岳→御池)

 燧岳にはひょんなことから登った。前日から、桧枝岐のキリンテキャンプ場で1泊し、朝から沼山峠を越えてニッコウキスゲが満開の尾瀬散策(画像1)を楽しんだ。小1時間ほど歩いて沼をはさんで長蔵小屋とは対岸の沼尻休憩所にきた時、ふと、燧岳のナデッ窪登山道が見えた。時間は昼をとうに過ぎて、午後1時ごろだったと思う。天気は曇りでやや寒かった。登山地図を見てみると、頂上までは2時間15分の行程である。まあ、急いで登って、向かいの御池に下れれば、時間的にも沼山に戻ってバスで帰るのと同じかなと考え、勢いで登山を開始した。その時の装備は、デイバックの中にはパンが二つとペットボトルのジュースが一つ、タオル・カメラが入っているだけ。服装は半ズボンにTシャツ、ウィンドブレーカー上、スニーカーとこれまた軽装備であった。今から考えれば恐ろしいほどの装備だが、登山道の現況ではこれが幸いした。まず、ナデッ窪の前半、1500m付近までは笹の林が背丈以上に生い茂る、藪こぎの世界。そこからは、前日からの雨で登山道が小さな沢となり、ナデッ窪分岐までの登りは、沢登りの世界。軽量軽快な装備がかえって助かった。ミノブチ岳が近づいたとき、急峻な登山道の眼下の雲の合間に尾瀬沼がパッと顔をのぞかせた(画像2)。小さく見える尾瀬沼をみて、知らぬ間にかなり高度を上げていたことを実感した。
 御池岳下の小雪渓(残雪)を左に眺めつつ、ほどなく俎?(まないたぐら)に到着した。山頂はガスで視界も最悪であった。寒くてパンをかじる手が動かない。記念撮影をして、西に15分ほどのところにある柴安?(しばやすぐら)をめざした。見えるはずの尾瀬ヶ原もその日はここからは雲ばかり、まったく視界がなかった。ただ、山頂名と標高を記した板が割れて落ちているだけだった。それを拾い上げ、祠に立てかけ、下山の途についた。
 下山道は熊沢田代と広沢田代などが交互に現れ、気持ちいい道(画像3)であるが、最後の急な下山道は足元もぬかるみ、時間も相当かかった。御池の駐車場に到着したのは6時過ぎの、やや薄暗くなったころであった。

(画像1)(画像2)(画像3)

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